エアバンド受信機の製作

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[電子工作/ラジオの製作]
[エアバンド,航空無線,ラジオ,LMF501T,TA7358P,uPC1651G]

origin 2008-11-24


 前回の「エアバンドラジオの実験」のイキオイで購入してきた「エアバンド受信機の実験」(CQ出版社)です。基板付きの製作集と思っていたのですが、ちゃんとした技術的な解説もあって実際に製作しなくても十分に楽しめる書籍となっています。

エアバンド受信機の実験

 付属(付録?)の基板がいくつか付いていて、その中にエアバンド受信機用の基板があります。部品構成は、東芝のFMフロントエンドICのTA7358PとワンチップラジオICのミツミLMF501Tで高周波と中間周波を扱い、低周波増幅にLM386を使っています。また、チューニングは、バリコンではなく、バリキャップダイオードを使用するようになっています。

エアバンド受信機の実験付属基板

 TA7358Pの出力する中間周波数を2.5MHzとしてLMF501T以降は普通のAMラジオと同じ構成としてあるため、中波用のOSCコイル(赤コイル)を実装して切替で中波放送も聞けるようになっています。(よく考えてありますね。)

 早速作ってみました。シルク印刷のあるちゃんとした基板に半田付けするのは、久しぶりです。いつもは、ユニバーサル基板に回路図や実装図とにらめっこして作るのですが、このように完成した基板は、シルク印刷にしたがって部品をつけていけばいいので本当に楽です。AMラジオは、必要ないので、中波用OSCコイルは実装しませんでした。

エアバンド受信機基板1

 アンテナとして短いワイヤーをつけて聞いてみましたが、何も聞こえません。前回の超再生方式の受信もそうでしたが、エアバンドにはちゃんとしたアンテナが必要だと思います。

 とりあえず、付属基板に、簡易信号発生器がついていたので、組み立ててみました。スペアナはないので、オシロスコープのFFTで確認すると、たくさんの高調波が出ているのがわかります。タイマーICの555で振幅変調された高調波を受信して受信機の調整が行えます。

簡易信号発生器簡易信号発生器出力信号のFFT

 簡易信号発生器の信号もまったく受信できないので、あれこれ調べているとTA7358Pの出力以降が動作していません。FCZ1.9コイルを外してLCメーターで調べてみるとインダクタンスが測定できません。(左の画像)別の正常なコイルを測定してみると、17μH程度のインダクタンスがあります。

異常なFCZ1.9正常なFCZ1.9

コイルを分解してみてみると、コアの根元のところで断線していました。最初の調整時にコアを一番下まで下げたときにコアの角で切れてしまったようです。

FCZコイルの断線

 簡単に修理できそうでしたが、とりあえず正常なFCZコイルに交換して無事に受信できるようになりました。

 空港のすぐ近くなら短いワイヤーでも受信できるかもしれませんが、我が家ではあまり受信状態が良いとは言えません。ベランダに急遽取り付けたアマチュア無線の144MHz用のアローラインや屋根の上に上げてある大型のGP(グランドプレーン)をつなげれば、かなり良い感度で受信できます。ちなみに、9エレ2列スタックの八木アンテナをつないで見ると、なぜかGPより受信感度が劣っていました。(ビーム方向を合わせても、だめでした。)

144MHz用アローライン144MHz用グランドプレーン

 アマチュア無線の部屋とは別のところで使用する予定なので、簡単な屋内アンテナを作ってみました。4mm厚の発泡プラスチック板を切り出してL型金具で7段のロッドアンテナを垂直、水平方向それぞれにL字に取り付けました。コネクタはBNCとして一緒に固定しました。

L型アンテナ製作1L型アンテナ製作2

 ロッドアンテナは、垂直、水平の両方を125MHzの1/4波長の60cm程度にのばして、アンテナ本体を屋内の窓の近くに固定しました。(窓に近いほうが良いと思われます。)場合によっては、水平に伸ばしたロッドアンテナを下方に下げると良いかもしれません。屋根の上のGPにはかないませんが、我が家では、このアンテナでベランダのアローライン(アマチュア無線144MHz用)とほぼ同等に受信できています。

L型アンテナ設置風景

 短波ラジオで使おうとテスト中のPIC周波数カウンターにプリスケーラをつけて局発周波数を測定してみました。・・が、ブレッドボードの環境が原因だと思いますが、カウンタの表示が頻繁に変動して安定して表示させることが難しいです。(10KHz台までは安定していますが、1KHz台が変動する。)

エアバンド受信機の局発周波数測定

 航空機からの送信波は、感度よく受信できるのですが、地上局の電波が弱いので前段にプリアンプを入れてみました。プリアンプは、大昔に秋月電子で購入して、あまりのNFの悪さに使うのをあきらめたNECの広帯域高周波アンプICのuPC1651Gを使用して作成しました。

エアバンド受信機用プリアンプの製作」で新たなプリアンプを製作しました。(2009-03-22)


uPC1651G広帯域プリアンプ回路図

uPC1651Gは、20年以上前に仕事で測定用のプリアンプが必要になって使ってみたものです。データシートを探してみたら、当時の仕事の資料から組み立てたプリアンプの測定データ(1987年1月に測定)が出てきました。利得不足で使わなかったようです。ICは、とっくにディスコンだと思われるので入手できないだろうとインターネットで検索すると秋月電子でまだ売っています。


uPC1651G広帯域プリアンプ

 現在は、自宅にも職場にもちゃんとした測定器がない環境なので、どの程度の性能かわかりませんが、耳で聞く限りは、このプリアンプで十分に役にたちます。NFが5dB以上あるので弱い信号はノイズに埋もれる印象があったのですが、地上局がちゃんと聞こえるようになりました。ただ、このuPC1651Gは、5Vで20mA程度流れるので、書籍のとおり006P乾電池で使用するのは、電池のもちが悪く不経済になりそうです。

 ケースはタカチのYM-180を使用しました。プリアンプも含めてなのでトランスと3端子レギュレータを使用して電源内蔵としました。

エアバンド受信機ケーシングエアバンド受信機完成

 雑誌の付録基板とは言え、ちゃんとしたケースに入れると自作欲も満足できます。^^;


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