{{publish any}} {{tag 容量計,AVR,LCメーター}} 「AVRを使ったコンデンサー容量計の製作」で実際に作成しました。(2008-08-30) !header 昨日の「[雑記/2008-1-11|Https://www.henteko.org/fswiki/wiki.cgi?page=%BB%A8%B5%AD%2F2008%2D1%2D11]」の続き。実験中の容量計で1μF以下のコンデンサも測定してみます。 !body 小容量コンデンサは、短時間で充電されるため、AVRのタイマーで計るためにゆっくりと充電したほうが良いだろうと充電抵抗を1MΩとして実験してみましたが、0.1μF以下は正常な計算値が得られませんでした。 下のオシロスコープの波形は、測定端子開放時の電圧変化ですが、0Vから2.5Vに達するのに約7.4msもかかっています。このため、容量の小さなコンデンサを十分な速度で充電するだけの電圧の立ち上がりがないことになります。 {{image DSC01224.jpg,,,size:45%}} ということで、充電抵抗は高速な電圧立ち上がりを得るためにある程度小さなものがいいと思われます。いろいろ試した結果、4.7kΩの抵抗で基準となるコンデンサ1000pF(誤差1%)の充電波形よりも短い時間の立ち上がり時間が得られました。 {{image DSC01240.jpg,,,size:45%}}{{image DSC01241.jpg,,,size:45%}} 上の画像は、4.7kΩの抵抗を使ったもので左が測定端子開放時、右が1000pFを測定したものです。開放時3.5μs、測定時で7.8μsとなりました。 4.7kΩより小さな抵抗値ではさらに高速な電圧立ち上がり時間が得られますが、AVRのタイマーで十分な解像度が得られないためこのぐらいの値が良いと思われます。 また、充電時間の除算に使う基準時間は、基準コンデンサの充電時間より端子開放時の立ち上がり時間を引いたものを使用します。 なお、AVRは、前日までは内蔵RC発信器による8MHzクロックで動作させていましたが、高速なタイマーが必要となりますので、20MHzのセラミック発振器を追加して外部クロック動作としています。 0.01μF(誤差5%)を測定。→0.01016μF 右は以前作成したLCメーターによる測定値。→0.01001μF {{image DSC01230.jpg,,,size:45%}}{{image DSC01238.jpg,,,size:45%}} 0.1μF(誤差5%)を測定。→0.09724μF 右はLCメーターによる測定値。→0.09723μF {{image DSC01231.jpg,,,size:45%}}{{image DSC01237.jpg,,,size:45%}} %%%小数点以下、4桁までピッタリですが、ここまでの精度は当然ありません。今回はたまたまだと思います。%%% 絶対的な精度はありませんが、以前作成したLCメーターとほぼ同じ値が測定できます。 参考までに、今回基準とした1000pF(誤差1%)をLCメーターで測定した結果です。 {{image DSC01239.jpg,,,size:45%}} 以下は、今回のものでコンデンサを測定した結果です。 ポリプロピレン 100pF → 0.00009μF    〃      680pF → 0.00067μF 積層セラミック 1μF → 0.93157μF    〃      1.5μF → 1.59932μF 積層チップ    10μF → 11.21165μF 電解コンデンサ  10μF → 10.04543μF    〃       47μF → 53.19040μF    〃      100μF → 96.50710μF    〃      470μF → 510.08731μF    〃     1000μF → 981.19354μF 通常、新しい未使用の電解コンデンサは、誤差範囲から想定すると、定格(表示)よりも大きな容量を持っているのが多いと思われます。・・・ということは、47μF以上の測定値は、チョット怪しいと思われます。 基準となる正確な容量のコンデンサが得られれば十分な実用性はあると思われます。