{{publish any}} {{tag 超音波センサー}} !header 超音波センサーを使った距離計のための基礎実験を行いました。 !body ジャンク箱を整理していたら、こんなものが出てきました。 {{image DSC01809.jpg,,alt:超音波センサーと基板,size:50%}} おそらく、秋月電子の超音波デジタル距離計キット・・・だと思います。 回路図やその他の付属部品が一切無い(他に転用したか?)ので詳細が不明です。 超音波センサー(送受信のセット)は、間違いなくキットに付属しているものだと思われますが、秋月電子のWebサイトにある基板の写真とこの基板を比較するとかなりパターンが異なっているので、ひょっとしたらまったく違うキットの基板かもしれません。 いずれにしろ、超音波センサーは使えると思うのでコレを使って何か・・・ということで、やっぱり距離計を製作してみます。 まずは、この回路で超音波センサーの動作テストを行ってみます。 {{image Ultrasonic_test.PNG,,alt:超音波センサーテスト回路図,size:98%}} 受信部は、オペアンプで100倍に増幅してオシロスコープで波形を確認することにします。使用するオペアンプは出来るだけローノイズのものが望ましいのですが、手持ちでは大昔のRC4558しかありませんので、これを使用してみました。 RC4558は、基本的に両電源(正負の電源が必要)のオペアンプなので反転増幅回路の場合は、+側にオフセット電圧を加える必要があります。 送信部へは、この超音波センサーの対応周波数である40KHzを供給する必要があります。実際に製作する場合は、PICかAVRで信号を供給することにしますが、とりあえずは[以前作成したオシレータ|https://www.henteko.org/fswiki/wiki.cgi?page=MAX038%B9%AD%C2%D3%B0%E8%A5%AA%A5%B7%A5%EC%A1%BC%A5%BF%A5%AD%A5%C3%A5%C8]で信号を供給します。 {{image DSC01810.jpg,,alt:超音波センサー送信,size:50%}} 超音波センサーの送信部と受信部をならべて動作させ、天井で反射させた信号を受信してみます。(天井まで片道2m程度) {{image DSC01812.jpg,,alt:超音波センサーテスト1,size:50%}} 送信が約3.6Vpp時に受信が約400mVppと弱いながらもなんとか受信できるようです。 送受信部が近接していることで「漏れ音波?」の影響の疑いもあるため、送受信部の間を板で遮蔽してみましたが波形には変化がありませんでした。・・ということで、間違いなく天井で反射した信号を受信しているようです。 {{image DSC01823.jpg,,alt:超音波センサー波形1,size:50%}} 超音波センサーに近接して反射板をかざしてみます。(およそ20cm程度の距離) {{image DSC01817.jpg,,alt:超音波センサーテスト2,size:50%}} 送信が約3.6Vpp時に受信が約1.93Vppとなりました。一応は伝播距離に応じて受信電圧が変化するようです。 {{image DSC01824.jpg,,alt:超音波センサー波形2,size:50%}} とりあえず、超音波センサーの動作は問題ないようです。ただ、当然のことながら、距離測定対象物の反射率が一定でないため反射した信号の強度では距離は測れません。 距離計の原理はバーストした信号の反射して戻ってくるまでの時間を測定する必要があります。このあたりの作りこみも引き続きテストしていこうと思います。 ---- 追記 2008-05-11 インターネットで色々と調べると、受信は、オペアンプ100倍では十分でないようです。超音波距離計として数m程度を計測するためには、400倍〜1000倍程度は増幅する必要があるようです。 ・・・ということでさらに10倍を追加して1000倍としてみました。 {{image DSC01832.jpg,,alt:超音波センサー受信テスト,size:50%}} 天井からの反射でも十分な受信強度が得られました。他のサイトを参考に、この出力を平滑検波してトランジスタをドライブすればPICやAVRに取り込めるようです。 {{image DSC01828.jpg,,alt:超音波センサー波形3,size:50%}}