SWRアナライザーの試作について

※実際にSWRアナライザーを製作しました。(2020-05-04)
※切替式のLPFを使ったシグナルジェネレーターを製作しました。(2020-09-12)

 si5351aは、150MHzまでは簡単に出力できるので、アンテナアナライザーよりも手軽に使える広帯域のSWRアナライザーでも作ってみようかと実験してみました。
 回路図はこんな感じです。si5351aとグラフィックOLEDモジュールはAVRで制御します。si5351aの信号出力をSWRブリッジを使用してアンテナとの整合を測定し、ログアンプのAD8307で電圧変換します。これをAVRのAD変換でレベル化し、リターンロスを計測します。リターンロスがわかればSWRも計算できるので、直読できるようにOLEDに表示する考えです。電源は、アンテナ直下でも調整できるように電池駆動を考えました。最初はDC-DCコンバーターによる3.3Vのみとしていましたが、3.3VではAD8307で十分なダイナミックレンジが得られないため、やむなく5.0Vの電源も追加しました。

 最初はすべてをブレッドボード上で実験を行いましたが、ノイズや回り込みの影響でうまく測定できませんでした。AD8307とSWRブリッジを外部の小さな基板上にランド方式で作ったところうまく動作しました。

 実際のアンテナのSWRを計測するためベランダに7MHzのホイップアンテナを設置しました。同調周波数とリターンロスをスペアナとリターンロスブリッジで測定するとこのようになっています。SWRに換算すると1.03~1.04となります。このアンテナで運用する予定はないので、この無調整のままで進めます。

 このアンテナを試作SWRアナライザーで測定してみました。SWRが最小になるところがこの状態です。スペアナでの測定値と比較すると、同調周波数は下に大きく(23KHz程度)ズレており、リターンロスも15dB近く差がでました。

 素のsi5351aの出力波形は方形波なので高調波が多く含まれます。スペアナで見るとこんな感じです。この出力で測定するため、誤差が出ていると判断しました。

 si5351aの出力にカットオフ周波数10MHzの簡単なLPFを入れてみました。回路図で点線で囲ったものです。LPFを通した出力をスペアナで見た結果です。高調波は大きく減衰しています。

 LPFを通した出力で測定してみると、同調周波数もリターンロスもスペアナでの測定結果に近づいています。

 これらの結果から、si5351aを使って広帯域のSWRアナライザーを作り、ある程度の精度をもった測定を行うには、si5351aの出力の高調波を取り除くローパスフィルターが必要となります。・・・で、ここからが問題です。広帯域に対応するLPFはありませんので、いくつかのLPFを切り替えて使用することになります。(・・・アナログスイッチの4052辺りを使用して、フィルターの切り替え回路を作ろうとして、挫折して半年以上たちました。)

2件のピンバック

コメントは現在停止中です。