{{publish any}} {{category 電子工作/ラジオの製作}} {{tag ラジオ,エアバンド,航空無線}} >>origin 2008-11-16 ----  中波ラジオ(MF)、短波ラジオ(HF)と製作してきたので、次は超短波ラジオ(VHF)です。一番身近なVHFには、FMラジオ放送やTV放送(アナログ)があります。簡単なのは、FMラジオですが、あまり気乗りがしないので、もうちょっと高い周波数を目指します。・・ということで、航空無線(エアバンド)の受信機(ラジオ)を作ります。  無理は承知でブレッドボードで試してみます。(無謀ですな。)  エアバンドは120MHz〜130MHzの範囲で受信できれば良いので、この周波数帯がブレッドボードで扱えるか試してみました。  2SK241を使ったハートレー発振回路で実験的に発振させます。コイルは、FCZコイルの144MHz用を使用します。発振出力をオシロスコープや周波数カウンタで確認するために2SK241でバッファします。 {{image hartley_oscillator.PNG,,alt:ハートレー発振回路図,size:99%}}  コンデンサは、FM用ポリバリコンとバリキャップダイオードの1SV101の2種類をテストしてみました。  FCZコイル144MHzのインダクタンスをLCメーターで測定すると0.18μHとなりました。FM用ポリバリコンの最小キャパシタンスを容量計で測定すると2.9pFなので、計算では200MHz以上が発振できることになりますが、浮遊容量等の影響でもう少し低い周波数までしか発振しないと思います。 {{image DSC02751.jpg,,alt:FCZ144インダクタンス,size:49%}}{{image DSC02753.jpg,,alt:FM用ポリバリコン最少キャパシタンス,size:49%}}  ブレッドボードで発振させてみました。 {{image DSC02752.jpg,,alt:テスト発振回路1,size:49%}}{{image DSC02755.jpg,,alt:テスト発振回路2,size:49%}}  発振周波数が最も高くなるようにしたときの波形をオシロスコープで観測した結果です。 {{image hartley_high_freq.PNG,,alt:ハートレー発振回路出力波形,size:79%}}  残念ながら120MHzには届きません。ブレッドボード上で部品配置を換えたりするともう少し高い周波数で発振しますが、周波数が安定しなかったりして、かなりシビアな状況です。わかってはいましたが、計算通りには行かないようです。なお、電源電圧5Vで使用するには、FM用ポリバリコンが1SV101よりも高い周波数まで発振できました。  とりあえず、実験ぐらいなら何とかなりそうな感じです。(ものは試しってことで・・・^^;)  で、ブレッドボードで簡単に出来そうな超再生検波ラジオを作るために鈴木 憲次著「ラジオ&ワイヤレス回路の設計・製作」(CQ出版)を買ってきました。 {{image DSC02774.jpg,,alt:ラジオ&ワイヤレス回路の設計・製作,size:49%}}  書籍には、ズバリ、エアバンド受信用の超再生検波ラジオでが実例を示してわかりやすく解説してあります。書籍では、トランジスタに2SC1906を使用していますが、手持ちの関係で2SC1907を使用します。低周波増幅を除いてブレッドボードに組み立てて受信してみました。 {{image DSC02756.jpg,,alt:超再生検波ラジオテスト,size:49%}}  はじめは、室内に張った短いワイヤーをつないで受信してみましたが、なにも聞こえません。セラミックイヤホンからは”サー”というノイズが聞こえているのでクエンチング発振は正常と思われます。  しかたがないので、ポリウレタン線で1/2波長ダイポールアンテナを作ってベランダに設置し、同軸ケーブルで室内に引き込んで接続すると良好に受信できるようになりました。・・・ただし、FM放送です。^^;  なんだかよくわかりませんが、80MHz帯を受信しています。コイルやバリコンを調整して、なんとかTVの1chの音声まで受信できるようになりましたが、それ以上は受信できません。やっぱりブレッドボードでは、ちと無理がありそうです。  (ようやく・・)ブレッドボードはあきらめて、同じ回路をユニバーサル基板に作り直しました。ところが、この基板で受信してみると、FM放送もTVもエアバンドもまったく受信できません。・・・というか、いったいどこを受信しているのだろう???・・という状態です。コイルをFCZ144MHzやFCZ80MHzと変えてみたり、すずメッキ線でいくつかコイルを作成して試すもまったく受信できません。 {{image DSC02770.jpg,,alt:超再生検波ラジオテスト2,size:49%}} オシロスコープでクエンチング発振を確認すると、一応、それらしい波形を確認できます。 {{image Quenching_noise.PNG,,alt:超再生検波クエンチング発振波形,size:79%}}  とりあえず、受信周波数を確認する必要があるので、今回のために奥底から探し出してきた大昔のグリッドディップメーター LDM-810を使って調べてみました。  ディップメータをオシレータ代わりに受信周波数を確認すると、FCZ144MHzのコイルを使っても70MHz帯を受信していました。これではなにも受信できないハズです。  計算では、120MHz付近が受信できるハズ・・・とあれこれやっていると原因がわかりました。クエンチング発振が間違いなく発生するようにとトランジスタのエミッタ−コレクタ間に接続した再生用コンデンサの10pFに30pFをパラ接続していたことが原因のようです。30pFのコンデンサを外すと120MHz付近が受信できるようになりました。 {{image DSC02771.jpg,,alt:超再生検波ラジオ3,size:49%}}  エアバンドを受信してみると、航空管制と思われる通信は、短いやり取りなのでポリバリコンを調整して同調させるのに苦労します。航空機からのカンパニー無線と思われるものは、ある程度、送信時間が長く電界強度も強いため同調が簡単です。ただ、めったに聞こえないので気長に待つしかありません。(あまり使われていないのかな)  残念なのは、超再生検波の特徴なのか、音があまりよくありません。また、”プツプツ”と連続したノイズ(クエンチングノイズ?)が気になります。  コイルを交換してFM放送を受信してみましたが、同調が難しく、やはり”プツプツ”というノイズが気になります。  トランジスタ1石で、そこそこの感度で振幅変調(AM)も周波数変調(FM)も受信できるのはすごいと思いますが、同調の難しさと、このノイズ状態では、実用的にはキビシーかなぁ。というのが正直な感想です。  インターネットで、エアバンドの情報を探しているとCQ誌の10月号?にエアバンドラジオの記事が掲載されているとの情報を得て書店に探しに行ったのですが、すでに11月号に切り替わっていました。・・・残念。  以前から気になっていたけど、基板付きの書籍はちょっと邪道かなぁ・・と思っていた「エアバンド受信機の実験」を買ってしまいました。家に帰ってから気づいたのですが、超再生検波ラジオで参考にした「ラジオ&ワイヤレス回路の設計・製作」と同じ著者でした。^^; {{image IMGP0258.jpg,,alt:エアバンド受信機の実験,size:49%}} %%「エアバンド受信機の製作」で付録の基板を使って実際に製作してみました。%%