エアバンド受信機でACARS受信

新たに製作したエアバンド受信機でもACARSを受信してみました。こちらの方がデコード率が高いです。(2010-03-02)

 インターネットでエアバンド関連のWebサイトを見ていると、なにやら面白そうな情報が・・・。

 エアバンドでは、航空管制等の音声通信のほかにACARS(エーカーズと発音)という航空機から自動送信されるデータ通信があります。耳で聞くと、データ通信なので、昔のアマチュア無線のパケット通信みたいに「ピギャー」という音が聞こえるだけです。ところが、このACARSをエアバンド受信機のAFからパソコンの音源ボードで取り込んでソフトウェアデコードしてパソコン画面上に情報を表示することが出来るソフトウェアがあるらしい・・・・・

 ・・・ということで、あぁ今日も飛行機日よりさんのサイトから「KG-ACARS」というソフトウェアをダウンロードして使ってみます。このサイトには、ソフトウェア以外にも、各社エアラインの航空機の写真がたくさんあります。臨場感ある画像ばかりでこちらもお勧めです。

 エアバンド受信機は、「PLL-VFOを使ったエアバンド受信機の製作」で作成したものを利用します。ACARSの国内線周波数131.250MHzを受信してみると頻繁に、「ピギャ」という短いデータ通信音が聞こえます。さっそくエアバンド受信機のイヤホン端子からパソコンの音源ボードのライン入力に接続して試してみました。

自作したエアバンド受信機
自作したエアバンド受信機

 ・・・・・が、全くデコードできません。KG-ACARSの添付される説明には、S/Nの良い歪みの無いACARS信号が必要とのことです。このエアバンド受信機は、PLL-VFOの出来がいまひとつなので信号発生器からAM変調の信号を入力して受信してみると多少ノイズが聞こえます。ケースを開けて、低周波出力に歪が少なくなるようにIFコイルを調整しました。

 この状態で受信し、KG-ACARSの受信テキスト表示を見ていると数回に1度は受信できるようになりました。ただ、受信できるのは短い「ピギャ」という信号のみです。この短い信号には航空機の位置情報等が含まれていないようで、マップ上にはプロットされません。エアバンド受信機の音量や音源ボードのライン入力レベルを細かく調整していくと強く入電する信号は正常に受信できることがわかりました。

 エアバンド受信には、自作した屋内アンテナを使用していますが、このアンテナだとほとんどの信号が弱くデコード出来る信号が限られます。

自作したエアバンド用L 型アンテナ
自作したエアバンド用L 型アンテナ

 屋外アンテナに切り替える前に、エアバンド受信機にプリアンプを入れて試してみます。プリアンプは、以前、「広帯域プリアンプの製作その2」で比較用に作成した東芝の高周波アンプICのTA4002を使用したものです。

 この状態で受信してみると、強く入電する信号はほとんどデコードできるようになりました。ただ、遠距離からと思われる弱い信号は当然ながらデコードできません。利得のある屋外アンテナを利用すれば、受信範囲は広がると思われます。また、製作したエアバンド受信機では、131.250MHzからチューニングをずらして131.243MHzを受信したときがデコードの成功率が高くなります。これは、「受信音が高めに聞こえるほうが良い」とのWebでの情報を裏付けるものと思われます。

 1時間程度受信してみると、マップ上に14機の航空機がプロットされました。自宅を中心に200Km以上の距離まで受信できています。我が家は、裏には山がありますが、南側は180度以上空を見渡すことが出来る高台なので、受信エリアもこのようになるようです。また、屋内アンテナは、南側の部屋の窓際にあることも影響しているのでしょう。

KG-ACARS
KG-ACARS

※コールサイン等をそのまま掲載してよいのか判断に迷ったので一部ボカシ加工してあります。

 航空機の位置や高度のほかに、気温や風向風速もわかります。高度に応じて気温が下がっていくのがわかります。このデータをもとに標準大気の気温減率と比較すれば、空気の湿り具合も計算できます。
 そのほか、KG-ACARSには、ACARS信号が受信できた便名と機体番号から航空機の画像を表示したり、インターネットから情報を検索できるなどの機能もあり、楽しみも広がります。

 KG-ACARSへの入力レベル(・・・というか音源ボードへの入力レベル)が結構、シビアなので音量の調整が重要です。使用したエアバンド受信機では、IF段に使用したLA1600にAGC機能が内蔵されていますが、IF段だけではAGCのダイナミックレンジが不足していると思われます。もう少し広い範囲でAGCがかかれば、音量調整も楽に出来て受信も安定するでしょう。なお、当然、メーカー製の受信機の場合は、全く問題ないと思われます。

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