{{publish any}} {{tag 電源,AVR,ATtiny26,LM358,電流計}} !header 面倒なケース加工をサッと済ませて実験用電源を完成させます。 !body ということで、いきなり完成写真です。今回のアルミケースは、パネルの厚さが1.5mmあるため加工が結構大変でした。穴あけだけならボール盤で簡単にいけますが、液晶ユニットの開口部等の加工は現物あわせでシコシコとやすりがけなんかがあるので大変です。 毎度のことですが液晶の固定は、ホットボンドです。開口部は液晶ユニットがぎりぎり入る大きさにしてあるので、特に固定しなくてもホットボンドでも十分保持されています。 あと、見てわかると思いますが、オペアンプのゲイン調整VRに実装配置の都合で横型を選択したために、基板を固定すると非常に調整しにくい状態となっています。一度セッティングすればめったに触ることはないので良しとしています。 {{image DSC01166.jpg,,,size:50%}} 前面パネルです。出力端子はワンタッチスピーカー端子を使用しました。左が固定系(+5V)で右が可変系です。端子の接触抵抗が多少あるようですが、わずか数アンペアの電源には十分だと思います。手早く接続や切り離しが出来るのでお勧めです。 液晶右側には、各出力のオン・オフスイッチをつけました。市販の実験用電源でも複数出力のあるものは付いているものが多いみたいです。 {{image DSC01168.jpg,,,size:50%}} 「MOS FETを使った電子負荷装置の製作」で作った負荷装置を接続して負荷試験を行います。 固定系(+5V)の出力は、17V近い電圧からのレギュレートなので熱損出がキビシー状態です。連続負荷試験として約400mAを10分間行いましたが、3端子レギュレータの保護回路が働くことなく無事に動作しました。でも、ヒートシンクは触れないほどの熱になっています。 (当然、テスト中はケースの蓋を閉めてやっています。) 可変系は出力電圧12V、負荷電流3Aで連続負荷試験を10分間行いました。ヒートシンクとして使用している背面パネルは熱くなりますが、安定した動作です。電圧の降下も規定以内で特に問題はありません。 次に出力電圧5Vを試験しましたが、3A出力は、20秒程度で3端子レギュレータのヒートプロテクタが働いて出力電圧が低下します。しかし、2Aは連続出力できました。 電圧の可変範囲は、1.34V〜19.5V(開放時)となります。負荷をかけての実用範囲は、1.34V〜15Vとなりました。 {{image DSC01171.jpg,,,size:50%}} 電源としての機能は、計画とおりです。AVRマイコンのATtiny26を使った電圧・電流計のテストをして見ました。一応、ケース組み込み前にオペアンプLM358のゲイン調整をすましてあるので、テスターと比較してみます。 可変系の電流値です。テスター380mAのときに370mAを表示して10mAの誤差です。3Aまでテストしましたが、-10〜+30mAまでの誤差がありました。 {{image DSC01176.jpg,,,size:50%}} 固定系の電流値です。テスター114mA時に116mAの表示です。誤差は数mAですが、製作した電流計は最下位が安定しません。無負荷時にも数mAの表示を行うことがあります。オペアンプのオフセット電圧が数mVあるためだと思います。 {{image DSC01179.jpg,,,size:50%}} 可変系の電圧値です。かなり正確に測定できます。電圧範囲すべてにわたってテスターとほとんど誤差はありません。 {{image DSC01180.jpg,,,size:50%}} AVRのプログラムは、問題ありませんでしたが、電源オン・オフを繰り返したところ液晶表示がおかしくなることがたまに発生しました。リセットがうまくかからないようです。AVRの内蔵クロックをスタートアップから6CK+64msとするのと、ブラウンアウトリセットをEnableするヒューズビットを書き込んで正常となりました。 {{image DSC01182.jpg,,,size:50%}}