PLL方式FMラジオの製作

 「FMラジオ用PLL-VFOの実験」で試したPLL-ICのTC9256Pを使用してFMラジオを製作します。PLL制御以外のFMラジオの回路は、「高周波回路の設計・製作(CQ出版社)」をほぼそのままコピーしました。この本、基礎的な解説も多く、とてもわかりやすくてお勧めです。

 FMラジオの回路図です。・・・といっても、書籍の回路を除く部分です。書籍の回路をそのまま掲載するのは問題あるので省略します。FMのIF増幅、検波するTA7303PというICが古くて入手性が悪いのですが、通販ショップのイーエレで入手できます。その他は、入手に苦労する部品はありませんでした。もっとも、PLL-ICのTC9256Pを入手するのが一番大変ですが・・・・・。
※2010年1月現在、TC9256Pもイーエレで取り扱いがあります。

 フロントエンドは、FMフロントエンド用のTA7358Pを使用して全面アースの基板に組み立てます。最初に普通の基板で組み立てたのですが、VCOが目的周波数で安定して発振しませんでした。全面アースの基板で作ると安定して動作しました。TA7303PのIF増幅・検波部分とLM386のAF部分は普通のユニバーサル基板に組み立てました。

 AVRやTC9256PのPLL制御部分はブレッドボードに組み立ててFMラジオの動作試験を行いました。安定して動作します。受信音もクリアです。屋内でも短いワイヤーアンテナで十分な感度です。

 AVRのPLL制御回路とループフィルタ回路をユニバーサル基板に作成しました。3端子レギュレータを使用した9Vと5Vの電源回路も載せました。AVRのプログラムは、実験で使用したTC9256Pの制御に「PLL-VFOを使った短波受信機の製作」と同じ周波数メモリ機能などを追加搭載しました。

 全体をバラックでテストしました。「FMラジオの製作」で作ったものは、ボディエフェクトが大きく受信周波数が変動したのですが、PLL方式はさすがに周波数が安定しています。むき出しの基板を触っても受信周波数がふらつくことはありません。

 ケースは100円ショップのディスプレイ用プラスチックケースです。・・が、基板が3枚もあるためこれまで使用したケースには入りません。100円ショップで一回り大きなケースを購入してきました。・・・・並べて比較すると体積で4倍ほどありそうです。

 基板は3段重ねとしました。ACトランスもケース内に内蔵しました。基板間の干渉を心配しましたがFM方式の受信ということもありノイズ等の影響は特に気になりません。動作も安定しています。

 市販のラジオと比較しましたが、受信感度や安定度はまったく同等です。回路を参考にした書籍では、FMステレオ・マルチプレクス復調回路を使ったFMステレオラジオまでの解説になっています。ステレオ・マルチプレクス復調ICが入手できるならFMステレオラジオにするのもよさそうです。


 ソースプログラムです。

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※AVRの入出力ポートが回路図とあっていません。このコンテンツを参考に製作される場合は、実作の回路にあわせるようにプログラム変更をお願いします。(2012-07-07)

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