PPテープでプリント基板エッチング

 ブレッドボードは、ちょっとした回路を実験するのに便利ですが、高周波の回路は浮遊容量の影響で思うようにできません。(・・・それでも無理してやってますが・・・^^;)
 そこで切り出したベタ基板に5mm角程度の薄い基板を瞬間接着剤で貼り付けて、それをランドとして配線することを良くやります。(通称:ベタアース貼り付けランド基板)
 5mm角の薄い基板は、厚さ0.5mmのテフロン基板です。テフロン基板は、やわらかいので大きなはさみで簡単に切断できます。(ただ、切断面はあまりきれいではありませんが・・・)
 この方法では、部品の付け直しなどの試行を繰り返すと、貼り付けたランドがはがれたりして結構イライラします。ランド間にチップ部品を使っていると、ランドがはがれた拍子にチップが割れてしまいます。(特にチップコンデンサは、簡単に割れますね。)また、ランドの数が多くなるとちょっと面倒です。

 そこで、簡単なテスト用基板を作るために「お手軽PPテープエッチング」をやってみました。PPテープとは、「荷物梱包用ポリプロピレンテープ」のことでホームセンター等で1個300円程度で購入できます。いろんなメーカーから発売されていますが、テープ素材がポリプロピレンで接着剤がアクリル系なら大丈夫だと思います。色付きのものが使いやすいのですが、最近は、透明のものが多いようです。

 最初に切り出した基板の銅箔面をアルコール等で拭いて、油脂を取り除きます。

 PPテープを銅箔面に貼り付けます。空気が入らないように注意して密着させます。失敗したらテープをはがして新たなテープで再度貼り付けます。PPテープのコストは安いので何回でもやり直したほうが良いでしょう。基板を裏返して基板にそって余分なPPテープを切り取ります。

 写真をわすれましたが、テープにマジック等でパターン(・・というほど複雑なものではありませんが)を書きます。このパターンにあわせてデザインナイフ等で切れ目を入れます。PPテープは、薄くて柔軟なのに硬度があるため、ナイフでの切断もきれいに出来ます。銅箔を溶かすところのテープをナイフの先端で持ち上げ、ピンセットでつまんではがします。PPテープは糊残りが少ないので、きれいにはがすことが出来ます。(オカモトとNITTOのテープで試しましたが、どちらもきれいにはがれます。)
 多少複雑なパターンも直線基調で作れば、デザインナイフを使って切り出すことが出来ます。

 エッチング液を用意します。夏季は、常温でも時間をかければエッチング可能ですが、冬季は暖めないととんでもなく時間がかかります。(特にエッチング液が使い古しのものだと時間がかかるようです。)
 100円均一で買ってきたタッパーの大小を使います。大きいほうにお湯をいれて小さいほうにエッチング液を入れます。これで湯煎状態となり、エッチング液をあたためます。(数年ぶりのエッチングです。新品のエッチング液を使いました。新品のエッチング液ってこんなにきれいなんですね。・・・^^;)

 基板の表?に取っ手がわりのPPテープをくっつけて、エッチングします。時折、PPテープをもって基板を揺らしてかき混ぜます。しばらくすると銅箔が溶けてきます。様子をみながらエッチングしますが、マジックで書いたパターンや感光基板のパターンと違って長時間エッチングしてもPPテープは耐えるようなので安心です。(はがれなければ大丈夫です。)

PPテープでプリント基板エッチング
PPテープでプリント基板エッチング
PPテープでプリント基板エッチング
PPテープでプリント基板エッチング

 きれいに解けたら取り出して水洗いします。

 パターンのPPテープをはがして、フラックスを塗布して完了です。実験に使いまわすのなら半田メッキをしたほうが使いやすいと思います。

 DBM(ダブルバランスドミキサー)の実験中です。貼り付けランドとは違ってはがれることはありませんので、実験が終わったら部品を外して基板を使い回しできます。(昔のFCZ基板のように使えます。)

 以上、とても簡単です。

5件のピンバック

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