QRPアンテナチューナーの製作

 FT-817で移動運用するための準備を進めています。FT-817でのQRP運用なのでポリバリコンを使用した簡単なアンテナチューナーを作ります。回路は、書籍トロイダルコア・活用百科(通称トロ活)に掲載されているアンテナ・カップラtype2を基本にネットでよく見る回路も参考にしました。コイルはトロイダルコアのT80-2を使用して12接点のロータリースイッチでのステップ切替とします。ポリバリコンはAM用のできるだけ容量の大きなものが必要です。通販でミズホ通信(なつかしい)のVC-340AMという2連ポリバリコンを購入しました。

QRPアンテナチューナー回路図
QRPアンテナチューナー回路図

 極力小型化したいので、ケースはタカチのMB-1を使用します。ポリバリコン2個とロータリースイッチでいっぱいいっぱいなので実測しながら穴あけしました。

QRPアンテナチューナーケース加工
QRPアンテナチューナー部品配置

 配線は簡単です。コイルは12タップの切り替えなのであまり深く考えずに適当に巻きました。ロータリースイッチのコモンを接地するかコイル端を接地するか迷いましたが、試した所、どちらでも大きな特性の違いは見られませんでした。トロイダルコアは、ロータリースイッチの接点内に入るT80を選択したのですが、もうワンサイズ大きなT106やさらに大きなT130でもスペース的には収容可能です。

QRPアンテナチューナー内部構造

 7MHz用のマイクロバートアンテナを3.5MHzでチューニングしてみました。SWRアナライザーをつないでSWRが最小になるように調整します。SWR1.2までは簡単に追い込めます。スペアナでリターンロスを確認しました。

QRPアンテナチューナーテスト

 50MHzでチューニングしてみました。時間をかければSWR1.1以下まで追い込むことが可能でした。

QRPアンテナチューナーテスト

 実際の運用ではQRP用のSWRメーターと組み合わせて使用します。FT-817付属のホイップアンテナに14MHzでチューニングしてみました。アンテナが短いため受信はダメですが、SWRを下げることができるのでとりあえず送信はできます。実際に送信しながらチューニングすると長時間の調整は迷惑になります(もっとも1W程度でこのホイップアンテナなら迷惑というほど遠くには飛んでいかないと思いますが・・)。SWRアナライザーを使って調整する方法が良さそうです。

QRPアンテナチューナーとQRP-SWRメーター

 スペアナで見る限りは、7MHz用のマイクロバートアンテナを使用した場合の同調範囲は2.9MHz~63MHzまでとなりました。チューニングは取れますがアンテナとして実際に使えるかどうかは不明です。