ソーラーラジオの製作

「また、ラジオ?!」・・・と家族からの呆れ声が・・・。
最近、短波ラジオで中国語の放送や韓国語の放送をきいているので、家族からは、某将軍様の国のスパイかと疑われています・・・^^;

 太陽電池を電源とするラジオを製作します。太陽電池は、共立電子で現品限り?で売っていたものでずっと前に購入して忘れかけていたものです。この太陽電池パネルを使いたいがために、ラジオを作るという不純な動機です。^^;

 使用する太陽電池は、スペックもよくわからないのですが、パネルの色から多結晶シリコンだと思います。アモルファスシリコンなら人工照明でもそこそこ発電すると聞いていますが、多結晶シリコンは、太陽光が必要となりそうです。
 太陽電池と充電できる2次電池を組み合わせることも考えましたが、充電制御を動作させるだけの余分な発電能力がありそうもないので、太陽電池オンリーの昼間専用のラジオとなります。

 ブレッドボードでワンチップラジオICのLMF501Tを使ったラジオを組み立てて太陽電池パネルをつないでみます。自然光が入る窓際なのでLMF501T単品ラジオをセラミックイヤホンで聞いてみると、問題なく動作します。
 調子に乗って、トランジスター1石で増幅してアウトプットトランス経由でスピーカーをつなぐと、小さな音ながらなんとか聞こえます。

 動作時の太陽電池の出力電圧は、約3Vで0.86mAの電流が流れています。

 あれこれ他ごとやっている間に、夜になってしまって太陽電池での動作確認ができなくなったので、実験用安定化電源から電源を供給してトランジスタ1石の増幅回路の増幅率をあげて6V時に3mA程度まで流れるようにしてみました。この状態ならスピーカーからは十分な音量がでています。(とはいってもパーソナルユースで近くで聴くには、十分という程度です。)
 電圧が2Vを下回るとスピーカーからはほとんど聞き取れなくなります。普通のマグネティックイヤホンを接続すればなんとか実用できる程度の出力となります。

 太陽電池パネルの仕様がよくわからないので、改めて日中にテストしてみました。

 直達日光をあてた状態で開放電圧が7.8V程度あります。この状態で220Ωの抵抗を負荷にしても7.5V近くを維持することから200mWクラスの太陽電池パネルということでしょうか。

 屋内の自然光が差し込む場所(直達日光なし)でも測定してみました。さすがに開放電圧も低く、3.3KΩの負荷を接続すると1V台まで電圧降下します。

 太陽電池としては、ほぼ日中の屋外や太陽光が差し込む窓際でしか使えないことがわかりました。イヤホンでの利用なら晴天時の日中の屋内でもならなんとかなるかもしれません。

 太陽電池のおおよそのスペックがわかったので、ラジオの回路を考えました。太陽電池の出力電圧は、LMF501Tの最大動作電圧を越えますので、LEDのVF(順方向電圧)を利用して1.5V程度に制限します。ラジオとしては、電源電圧2~8V程度に対応した回路となります。

 基板への実装図をPCBEで作成しました。

 部品を実装しました。使用したLEDは、通常の赤色LEDです。

 バラックで接続して受信テストしてみます。電源は、実験用安定化電源から1.5Vから8V程度まで可変させて正常に受信できることを確認します。
 はじめに使用したLEDは、電源電圧に応じてVFが変動し、電源電圧が5Vを超えるとVFが1.8V程度まで上昇するものでした。この状態では、LMF501Tが発振状態となってしまい、うまく動作させることが出来ません。LEDの後段の抵抗値を調整して発振しないようにすると電源電圧が低いときに感度が低下するようです。結局、VFの変動が少ない別のLEDに交換して安定した動作を得ることが出来ました。

 ケースはいつもの100円均一で購入したディスプレイ用プラスチックケースです。太陽電池パネルの大きさとバランスが取れていないので見た目は良くありません。

 バーアンテナのPA-63Rは、バーを基板に半田付けして固定しました。バーアンテナは、立てると感度が悪いので横にしてあります。

 トランジスタ1石なので、あまり大きな音はでませんが、ケースに入れれば、屋内でも日中の窓際ならスピーカー出力で十分実用できます。朝日のあたる窓際においておけば、時間にアバウトな目覚ましとしても利用できます。^^;
 また、イヤホンでの利用ならかなり幅広い電源電圧に対応できるので、適当な太陽電池があれば動作すると思います。