最終更新時間:2015年09月08日 20時59分19秒
[公開:any]
オシロスコープは、中古で入手した横河電機のDL1540を使用してきましたが、1年ほど前から内蔵のバックアップ用リチウム電池の劣化により、設定がバックアップされず、電源を切るたびに初期化される状態が続いています。もともとDL1540は階層化されたメニューを使用しており、操作性は良くありません。初期化された機能をいつもの使用状態にするのが面倒で使うのが億劫になっていました。
DL1540の電池交換を行うのは結構大変なので作業を躊躇していたところ、テクトロニクス社からTBS1052Bというデジタルオシロスコープが発売されていることを知りました。価格も安く、液晶表示も綺麗です。国内代理店があり5年保障なので安心です。amazonで購入しようとサイトを見ていると同じような価格帯でRIGOL社からDS1054Zが販売されていることがわかりました。RIGOLは、リーダー電子が国内代理店となっていたのですが、リゴルジャパンとして販売しているようです。機能を比較すると大きな差はなさそうです。保障期間は3年とやや短いのですが、値段も5万円程度と手ごろです。かなり迷いましたが、最終的にはDL1540と同じ4chということでDS1054Zを購入することにしました。
カタログ等で見たときにはRIGOLのスペアナDSA815と同じ大きさと思っていましたが、実物は一回り小型でした。
DS1054Zの特徴は、信号の頻度を階調表示できることなので、アナログオシロスコープと同じような表示が可能です。古い岩通のアナログオシロスコープと表示比較をしてみましたが、確かにそれらしく見えます。
振幅変調波をアナログオシロスコープとデジタルオシロスコープのDL1540で比較してみました。DL1540では、階調表示できないのでベターとした波形しか測定できません。
DS1054Zでは、アナログオシロスコープに似た表示となります。振幅変調の表示が階調表示できることに大きな優位性はありませんが、電源のノイズなど波形に含まれる頻度の少ない信号もうまく表示してくれそうです。
その他、1chあたり12Mポイントのロングメモリは、ロジック信号を長時間測定するときに便利です。また、I2CやSPIなどのシリアルデコード機能などのオプション機能がサンプル搭載されています。ただ、I2CやSPIを使用したデバイスはたまに使いますが、デコード機能がなくてもロングメモリがあれば十分だと思います。
以前は、オシロスコープの帯域は最低でも100MHzが必要と思っていましたが、私のようにアマチュアがちょっとした電子工作でオシロスコープを利用するには、50MHzの帯域があれば機能として十分です。また、テクトロニクスやリゴルなど、この価格帯の選択肢が増えたことは良いことだと思います。5万円程度ならオークションなどで怪しいものを落札するよりは、保障の有る新品を購入したほうが、安心して使えます。