50MHz用のダイポールアンテナの製作

 デルタループアンテナで50MHzにオンエアしていますが、ATU(CG-3000)が対応していないためSWRが1.5以上となっています。とりあえず使えてはいますが、どの程度の性能が出ているのかよくわかりません。基本となるダイポールアンテナを作って比較してみます。

 エレメントは、分解した6エレ八木(クリエートのCL6DX)の残骸を利用します。中央部分のテーパー加工されたエレメントとその先のエレメントの2段構成となっているので長さの調整が容易です。中央部分のテーパー加工されたエレメントを真ん中で切断して利用しました。

クリエート社CL6DXの残骸
クリエート社CL6DXの残骸からエレメント作成

 エレメントマウントは、ホームセンターで購入したポリエチレンのまな板です。400円弱で購入しました。サイズは270x160mmで厚みは10mmです。エレメントも軽いので強度的にはこれで十分です。金属ではないので直接エレメントが固定できます。以前製作したバランとエレメントとUボルトを配置してみて固定する位置関係を確認します。その後、定規や分度器でマーキングして取付穴を加工しました。エレメントは水平と120度のV型取り付けができるようにしました。

バランとエレメントの配置確認
バランとエレメントの配置確認
エレメントマウントとしてポリエチレンまな板加工
ポリエチレンまな板加工

 バランとエレメントを固定しました。エレメントは50Ωのバランとインピーダンスマッチングに有利なV型としました。マウントの裏側は、内側のエレメント固定ボルトがマストパイプと接触しないようにザグリ加工してねじ頭が飛び出さないようにします。

エレメントとバランの取付(表)
エレメントとバランの取付(表)
エレメントとバランの取付(裏)
エレメントとバランの取付(裏)

 軽量なV型ダイポールアンテナが完成しました。庭の木に仮固定してエレメントの長さを調整して片側139cmで50.5MHzに同調させました。

50MHzV型ダイポールアンテナ全景
50MHzV型ダイポールアンテナ全景
50MHzV型ダイポールアンテナ仮設風景
50MHzV型ダイポールアンテナ仮設風景

 デルタループアンテナの下側に固定しました。高さは8m程度です。アンテナは地上高でインピーダンスが変化しますがブロードな特性なので地上で調整した状態でも問題はありません。

ATU+デルタループアンテナの下にV型ダイポールアンテナ
ATU+デルタループアンテナの下にV型ダイポールアンテナ

 スペアナでリターンロスを確認します。緑色の線は-14dBでSWR1.5を示しています。100MHzまでのスパンで見ると50MHz以外に同調はありません。同調周波数の中心は、50.4MHzでSWR1.1以下となりました。SWR1.5以下の範囲は2.8MHzと広帯域です。

50MHzリターンロス(ワイドバンド)
50MHzリターンロス(ワイドバンド)
50MHzリターンロス
50MHzリターンロス

 比較のため、JARLビーコンのJA2IGYを受信してみると、デルタループアンテナではSメーターが0~1となりますが、ダイポールアンテナでは1~2とS1程度はメーターの振れが良い結果となりました。スペアナでアベレージングをかけて比較するとデルタループアンテナよりもダイポールアンテナは+6~7dB程度利得があります(黄色のトレースがデルタループアンテナ、紫のトレースがダイポールアンテナ)。ダイポールアンテナの利得を0dB基準として考えるとデルタループアンテナは十分な動作をしていないことになります。ATUの動作範囲外なので当然の結果でしょうか。

デルタループアンテナとの受信強度比較
デルタループアンテナとの受信強度比較

 ダイポールアンテナで実際にFT8でオンエアしてみるとこちらの送るSNRよりも-10dB以上悪いSNRをもらうことが多くありました。受信に関しては問題ないのですが、送信する電波が飛びが悪いような気がします。デルタループアンテナのエレメントが近くにあることで干渉しているかもしれません。

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