湿度センサーHS-15Pの精度について

 前回、「PICを使った温度計・湿度計の製作」では、回路が複雑なので使用をあきらめた湿度センサーHS-15Pですが、もったいない?ので湿度計をもう一台作ることにして実験してみます。

 秋月電子で買ったHS-15Pについてくるデータシートの回路や秋月電子のキットで紹介されている回路は、かなり複雑なのでパスして、e電子工房さんで紹介されているものを使用します。この回路は、ブレットボードでテストして動作確認済みなので、実装図もe電子工房さんで紹介されているPCBEの実装図を利用して秋月電子の小さい基板に実装します。

 この基板に実装した湿度センサーが、前回使った湿度センサーTDK製 CHS-UGRと比較してちゃんと使えることを確認します。前回の湿度計が正しいかどうかも確認するため乾湿計も用意しました。湿球温度計のガーゼが古くなっていたので取り替えてあります。

 湿度計に通電して室内(3畳の書斎)を締め切り1時間程度無人にします。このときの乾湿計は、乾球温度が14.2℃、湿球温度が11.0℃となりました。こちらOWL’s WebSiteさんで公開されている湿度計算シートを利用させていただいて湿度を求めると65.05%となります。
 前回の湿度計は、63.6%、今回の湿度センサーは、テスターによる電圧から64.0%となりました。数値比較すると、多少、誤差はありますが湿度の計算方法や乾湿計の読み取り精度からして、この湿度はかなり正確だと思います。

 次に、加湿器とセラミック温風ヒーターを使用して高湿度の状態と乾燥状態を作って計測される湿度を比較してみます。

 まず、締め切った3畳の部屋で加湿器を連続運転した状態です。
 乾湿計は乾球温度は16.8℃、湿球温度は15.2℃で湿度83.51%。このときの湿度計の値は、それぞれ87.8%と104.0%となりました。HS-15Pの値は完全におかしな状態になっています。湿度が上がっていく状況を見ていた感じでは、80%程度までは、それほど差がないのですが、それを超えたところぐらいからHS-15Pの値は異常に増加するようです。

 次にセラミック温風ヒーターの風を副次的にあてて擬似乾燥状態を作ってみます。
 この状態での乾湿計は測定できませんでしたので、湿度計の比較のみです。湿度計の値はそれぞれ、12.2%と10.02%となりました。絶対的な精度は別にして双方の差は少ないようです。

 セラミック温風ヒーターを停止して自然状態にした後、10分程度経過したときの湿度計の値です。それぞれ53.1%と52.4%となりました。このときの乾湿計の値は乾球16.5℃、湿球12.2℃で湿度57.17%でした。

 これらの結果から、HS-15Pを使った湿度計は湿度80%を超える状況では、高めに測定されるが、80%以下では精度が高いと思われます。通常の室内であれば、湿度80%を超えることは稀だと思いますので実用性は十分です。

 ということで、このHS-15Pを使った湿度計を作ってみたいと思います。
 最後に、すばらしい回路を公開されているe電子工房さんにお礼申し上げます。

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