2SK3478を使ったリニアアンプの試作

最終更新時間:2022年10月22日 18時38分57秒

[公開:any]

[電子工作/アマチュア無線]
[2SK3478,リニアアンプ]

origin 2022-10-22



 ヤフオクで2SK3478というFETを見つけました。三菱製で昔の高周波トランジスターと同じパッケージです。見た目ではパワーが出そうです。ただ、ネットで調べてみましたが、データシートが見つかりません。ヤエスのFT-7100MというデュアルバンドFMモービル機(144MHzと430MHz)やケンウッドの海外用のFMトランシーバーなどの終段として使われているとの情報以外は不明でした。FT-7100Mでは、シングルで144MHzFMで50Wのパワーがある石なので50MHzのリニアアンプに使えるだろうと考えて落札しました。

2SK3478

 基板を作ってシングルとプッシュプルを試してみます。シングルは入出力トランスを使った広帯域アンプとして作りました。FETのスペックがわかりませんが、FMモービル機の終段に使われているので電源電圧は13.8Vでいいでしょう。アイドリング電流は500mAとします。50MHzの2.5W入力時に8〜9W程度の出力しか得られません。HF帯も最大で15W程度でした。


 入出力トランスの1ターン側を銅パイプを使ったものに変えたり、出力側にコンデンサを追加して整合を取って、50MHzでなんとか26Wまで出力を上げることができました。効率は42%とあまりよくありません。HF帯も、なんとか15〜30Wまで出力できました。


 プッシュプルにすれば50W程度はイケそうです。いつものシンプルな回路で作ります。

2sk3478プッシュプル高周波アンプ回路図

 基板も新たに作り直しました。PCBEでパターンを作って、CNCフライス盤で基板加工しました。


 入力の整合が取れず、SWRが高いので入力に3dBのアッテネータを入れてごまかしています。2.5W入力で50MHzで40W(効率57%)、14MHzで66W(効率64%)の出力が得られました(50MHzのLPFを通しているだけなので14MHzは高調波を含む)。


 14MHzと50MHzの入出力特性です。出力はスペアナで基本波の測定値をプロットしています。最大出力は40〜50Wとなりますが、リニアなのは20W程度までです。CWやFMの50Wアンプとしては問題ないかもしれませんが、SSBやAMでは厳しいかもしれません。FT-7100Mのサービスマニュアルをネットで見つけたので回路図を確認してみると144MHzでのゲート電圧が2.1Vと示してあります。試しにゲート電圧を2.1Vまで上げるとアイドリング電流は1.5A近く流れます(FET1石当たり750mA)。この状態で入出力特性を見てみましたがリニアリティは大きな違いはありませんでした。


 バンド毎の出力を見てみました。高調波の影響を受けないようにスペアナで基本波の測定値を読み取っています。21MHzと28MHzで効率が悪く出力が少ないですが、それ以外のHF帯は50Wのアンプとして使えそうです。50MHzもマッチングをもう少し調整すれば50Wは出そうです。


 出力トランスのマッチングに使うセラミックコンデンサが焼損しそうなくらい発熱します。耐圧は3kVあるのですがセラミックコンデンサではだめかもしれません。耐圧300Vのマイカコンデンサに交換してみましたが発熱します。ただ、1分程度の連続送信してみましたが燃えることはなさそうです。なお、マイカコンデンサに変えると出力40W→45Wと大きくなりました。また、50MHzLPFのトロイダルコアをT68-6からT68-10に交換してLPFの特性を改善したところ、50MHzの2.5W入力で50Wを超えるようになりました。

 

 このアンプには緩やかな正の温度特性があります。連続送信で温度が上がると出力も上がります。MOSFETは温度が上がるとRdsが大きくなるので、出力自体は少なくなる負の温度特性だと思っていましたが何か違うようです。FET自体の特性ではなく、周辺部品の温度特性の影響が大きいかもしれません。
 

このテンプレートをデザインした者がへたれなので IE6 には非対応です。IE7FirefoxSafariOperaChrome など、モダンなブラウザを利用して下さい。


▲ページ Top へ...