PWMファンコントローラーの製作
気温が高くなるとアマチュア無線で使用する電源や無線機が熱くなるため、筐体を冷やす冷却ファンが欲しくなります。ハードディスクの平面用冷却ファンが手持ちであったのでこれを使用してみたのですが、ファンの回転数が高いので耳障りな音がします。回転数を制御するには電源電圧でも可能ですが、PICを使ってPWM制御することにします。
PICは買い置きのあったPIC12F683を使用します。以前は同じPICで温度センサーLM35DZを使用したファンコントローラーを作りましたが、温度制御までは不要なのでボリュームで回転数を制御する方式とします。PICの出力するPWMでMOS-FETの2SK2231をON/OFFさせてファンの回転数を制御します。MOS-FETは使用するファンの定格を扱えるものが必要です。このファンの電流値は、最大となるスタートアップ時で300mA程度なので、この電流が扱えるMOS-FETならOKです。2SK2231は完全にオーバースペックとなりますが、大きなファンも利用する可能性があるのでこのままとします。電源電圧は使用するファンに合わせることができますが、使用する3端子レギュレーターの最低必要電圧以上でMOS-FETの対応電圧以下となります。
簡単な回路ですが、久しぶりにPCBEで実装パターンを描いてみました。ユニバーサル基板に実装する場合は、こうやってパターンを決めておくと失敗が少なくなります。基板は秋月電子オリジナルのメッシュ基板です。別にメッシュである必要はないのですが、手持ちで一番小さな基板なので使用しました。
基板に部品を実装してケースに入れました。ケースも秋月電子のプラケース(小)です。ファンを電源の上にセットしてサイドをスポンジで密着させます。これで効率よく天板の放熱板を冷却することができます。
PICのプログラムはMPLABとXC8で作成しました。処理はとても簡単でADCでボリューム値を読み取って、その値からPWM値をセットするだけです。PWMの周波数は16KHzです。ファンによってはこの周波数で滑らかに回らないものがあるかもしれませんが、これよりも周波数を下げると可聴音となるため耳障りな音が聞こえます(若い方は16KHzでも聞こえるかもしれない)。ADCは10ビットで結果が得られますが、PWMは周波数によっては10ビットの制御ができない場合があります。この計算方法は、詳しく解説したWebサイトがたくさんあるのでそちらを参考にしてください。今回もフルビットの制御ができないので適当にADC値を除算してボリュームの最小最大でいい感じになるようにしてあります。ボリュームで回転数を落とした状態でファンをスタートさせると回らないことがあるので、電源投入時は2秒間だけ全開で回してその後、設定した回転数になるようにしています。