ブレッドボードで7MHz-QRP-CWトランシーバーの製作

 2007年に秋月電子で購入したブレッドボード。このサイズのものはあまり使わなくなりました。所々、半田を落として穴が埋まっていたり、大きな端子を無理やりさしてダメになった穴もあります。金属プレートから外して100円均一で購入したポリエチレンケースに入れてみると大きさはぴったりです。最後にこれで7MHzのトランシーバーを作ります。

ブレッドボード
100均ポリエチレンケースとブレッドボード

 トランシーバーにはコイルが必要となるのでブレッドボード用の変換基板を自作します。秋月電子の両面基板をハサミで切り出します。ガラエポ(FR-4)なので力が必要ですがザクザクと切れます。切り出した基板をやすりで成形して、7mm角のFCZコイル(サトー電気で扱う正規の?継承品)の基板とします。

ブレッドボード用コイル基板の切り出し
ブレッドボード用コイル基板の切り出し

 コイルとブレッドボード用の端子は、細いスズメッキ線や撚線をバラした細線で接続します。

ブレッドボード用コイルの作成
ブレッドボード用FCZコイル

 真ん中のブロックにPICとsi5351aを利用したVFOを作りました。LCDもI2Cインターフェースのものをブレッドボード上に刺して使います。下のブロックには受信機を作成します。秋月電子で購入したダブルバランスドミキサーICのSA612を変換基板を介して使用します。50MHzのトランシーバーではスプリアスが多くて使えなかったのですが、7MHzでは特段問題はありません。変換基板のパターンが影響している可能性があります。

si5351aでブレッドボードVFO
ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー受信回路

 アンテナを繋いで受信してみるといい感じ受信できるのですがフィルターの切れが良くありません。もともと4素子のクリスタルフィルターなのでバサッと切れることはないのですが混信がかなりあります。スペアナでフィルターの特性を見てみると裾が広がった変な減衰特性となっています。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー クリスタルフィルター

 入出力のグランドとフィルターのグランドがブレッドボードの上下で分かれていることが原因のようです。グランドを共通にすると素直な減衰特性となりました。混信もそれほど気にならなくなりました。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー クリスタルフィルター

 送信機の終段もグランドの扱いに注意が必要です。LPFで高調波は抑えられるのですが、スペアナで見ると基本波の裾が広がっているように見えます。APB-3で狭帯域のスペクトラムを確認してみると、0.25Wまではスプリアスは目立たないのですが、0.5Wまでパワーを上げると発振したようなスペクトラムになりました。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー パワーアンプ

 終段のトランジスターと共通のグランド側で出力することできれいな出力が得られるようになります。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー パワーアンプ

 送信機の周波数変換後のBPF(バンドパスフィルター)は、トロイダルコアとトリマを使った複同調回路としたのですが、基本波よりも下側の細かなスプリアスが減衰できませんでした。コイルの巻き数とコンデンサの組み合わせや実装方法を調整しても解決しません。フィルターの特性をスペアナで見てみるとかなりブロードな状況でした。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー バンドパスフィルタ

 FCZコイルで複同調回路を試した所、かなりシャープな特性が得られ、スプリアスの問題は解決しました。 

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー バンドパスフィルタ

 作成途中でsi5351aを3個壊しました。故障するとVDDとGNDがショートになるから厄介です。モジュール3個目で手持ちの部品がなくなったので、通販でチップのみを取り寄せて交換しました(下左画像は直したモジュール2個と3個目用のsi5351a)。これまでこの部品を壊した経験はありません。原因はVDD(モジュール8番ピン)をセラミックコンデンサで別のブロック(送信機用の12V電源)のグランドに接続していたためと思われます(下右画像の赤丸のコンデンサ。故障したモジュールは外してあります。)。送信のテストを行っているといきなり故障しました。おそらく、送信時のグランドの揺れでsi5351aに過電圧がかかったか、もしくは回り込みによる異常動作があったのだと判断します。コンデンサを外してからはまったく問題ありません。

si5351aモジュールの修理
ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー

 トランシーバーとして完成です。LCDもバックライト付きのものに交換しました。終段のトランジスターをバイアスを変えずにいろいろと取り替えてみました。2SC2078だと最大で1W程度の出力が得られます。2SC2053や2SC2851で0.5W、2SC1815や2SC1907で0.2W~0.3Wが得られます。今回は2SC2053を利用します。エミッターの抵抗値で調整して出力0.5Wとします。この状態で電流は130mA程度が流れますが気になるほどの発熱はありません。
※パワーを上げる場合は、12V供給するトランジスタ(今回は2SA950)を交換する必要があります。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー
ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー 終段トランジスタ

 最終的な回路図です。キー入力はPICで読み取り、送信機の電源を制御します。サイドトーンもPICのPWMで生成します。AGCはIFアンプ1段のみです。これでも多少は効果があります。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー回路図
ブレッドボードQRPトランシーバー回路図

※アンテナ切替はJR3TGSさんのホームページのリレーを使わない回路を参考にしました。

 参考までにブレッドボード上の実装ブロック図です。受信機のブロックは余裕がありませんが、クリスタルフィルターを6素子までは拡張できます。また、IFアンプやクリスタルフィルターの順番を変えるなど色々と実験できそうです。送信機のブロックは余裕があるのでドライバをトランジスタに交換したり終段トランジスタを交換して小型ヒートシンクを使って1W程度までパワーアップすることも可能です(免許を受けたら変更できませんが・・・)。
 50MHzまでの高調波を見てみると、第2高調波を落とし切れていませんが50μW以下であり、法的には問題ありません。(外部に40dBのアッテネータ挿入)

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー
ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー 出力スプリアス

 APB-3でスパン200KHzと10KHzの狭帯域でも確認しましたが、問題となるスプリアスは見られません。

 ケースに入れました。ケースはポリプロピレンなので加工は簡単です。ブレッドボードに厚みがあるためスピーカーやSメーターの配置に苦労しました。透けて見えるのでSメーターも中に入れておきたいのですが、高さがあってケースを閉じることができなくなるので穴をあけて固定しました。LCDはブレッドボード上に実装した状態ですが視認性に問題ありません。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー外観
ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー内部

 ブレッドボード上でのいわば仮設状態ですが、電波の質や周波数の安定度など電波法や無線設備規則はクリアしているので無線局の免許申請も可能と思います。免許後も工事設計書に記載したブロックダイヤグラムを変更したり半導体を別の品種に交換する等の送信機の改造を行わなければ特段問題ないと思われます。ただ、経年変化による接触不良が問題となります。性能維持できているか使用前に確認が必要かもしれません。
 いっそのこと、秋月電子で取り扱っているブレッドボード配線基板に作り変えるのがいいかもしれません。


 以下の諸元により変更申請を実施して免許されました。これでオンエアできます。

ブレッドボード7MHz-QRP-CWトランシーバー 保証認定 送信機系統図

 PICのプログラムです。コンパイラはXCコンパイラ1.45を使用しています。

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breadboard_qrp_trx_main.c 6.18 KB 170 downloads

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pic16f_i2c.c 0.73 KB 121 downloads

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pic16f_i2c.h 0.22 KB 119 downloads

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i2c_lcd.c 1.84 KB 114 downloads

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i2c_lcd.h 0.54 KB 118 downloads

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si5351a.c 2.90 KB 136 downloads

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