ラジオの製作その4(2ICスーパーヘテロダイン)
ミツミのLMT501Tを使ったストレートラジオは、十分楽しんだので、もうちょっと高度なスーパーへテロダインのラジオを作ってみます。といっても、いきなりトランジスタで作るとたぶん失敗すると思います。・・・過去、雑誌の記事をみながら5石か6石のスーパーに挑戦して玉砕した経験があります。そのときは、まったく音が出ず、どうすればいいのかの知識もなかったので、失敗したままでした。
今回は、いきなりトランジスタで作るのではなく、スーパーへテロダインラジオ専用のICを使います。低周波増幅部もトランジスタではなく、専用ICを使い2ICスーパーとします。ラジオ用ICにはAMチューナー用のサンヨー LA1600、低周波増幅ICには東芝 TA7368Pを使用します。その他、スーパー用の2連ポリバリコンを準備しました。
はじめは、バーアンテナに手持ちのSL-55GTを使用して実験していましたが、まったく受信できません。LCメーターで2連ポリバリコンのキャパシタンスを測定すると、10~158pFと8.5~68pFとなっています。これだと以前、「バーアンテナのインダクタンス測定」で測定したSL-55GTのインダクタンスやOSCコイルのインダクタンスから計算するとラジオ放送の中波帯には同調させることができません。ここで初めてバーアンテナにもスーパーヘテロダイン用があることに気が付きました。あわててインターネットで探してSL-55Xを通販で購入しました。
スーパーへテロダインにはコイルが必要になります。通常、LA1600は、OSCコイル(赤コイル)とIFTコイル(黄コイルか黒コイル)が必要です。
2.54mmピッチの基板には7mm角コイルが使えることは知っていましたが、ブレッドボードでテストするためには10mm角コイルが便利だろうと通販で取り寄せました。・・・が、ブレッドボードには直接刺さらないことがわかったので、ユニバーサル基板を切り出してブレッドボード用のアダプタとして使えるようにしてみました。
最初は、このコイルをつかってブレッドボードに組み立てのですが、どうもうまく動作しません。変な発振があって強いボディエフェクトもあります。どうも、コイル周りがあやしいようです。コイル用のアダプタとブレッドボード間のリードが長くなることが原因かもしれません。また、アダプタ基板が大きすぎて手持ちのブレッドボードでは配線が結構大変です。
しかたなく7mmコイルとICソケットを使ってブレッドボード用コイルを新たに作りなおしました。今度は、コイルとブレッドボード間のリードが極力短くしてコンパクトに作りました。
スーパー用バーアンテナと2連ポリバリコンもブレッドボードには直接接続できないので、これらもユニバーサル基板で専用のアダプタを作りました。
ブレッドボードに組み立ててテストします。今度は良好に動作します。IFTコイルを調整してOSCコイルとバーアンテナのコイル位置で受信周波数範囲を調整します。
トラッキング調整も必要らしいですが、よく受信できているのでとりあえずOKとします。
バーアンテナと2連ポリバリコンユニットボードとブレッドボードの接続をワイヤーとしたのですが、この部分の浮遊容量の影響でどちらかの位置を動かすと受信周波数が変動します。調整中は動かさないようにする必要がありました。
電源は、安定化電源から3Vを供給しましたが、別途単3乾電池2本でも動作確認をしました。さすがに電池が1本多いだけのことはあって、以前「ラジオの製作その3」で使用したNJM2076Dより大きな音がします。音質も聞きやすいようです。
OSCコイルやIFTコイルの調整のためにコアドライバーセットも購入しました。
今回の回路図です。といってもLA1600とTA7368Pのデータシートのサンプル回路をそのままつなげただけです。
この回路をユニバーサル基板に実装して完成させようと思います。でも、このままブレッドボードのまま透明アクリルケースに入れてもおもしろそうです。
追記(2008-06-25)
中波とはいえ高周波なので専用基板をエッチングで作ったほうが安心ですが、メンドーなのでいつものユニバーサル基板です。バーアンテナを基板に固定する予定でPCBEで配線図を作成しました。
・・・で、早速作ったのですが・・・・・・・ブレッドボードでのテストでは、十分な感度でローカル局が受信できていたのですが、この基板で受信すると妙に感度が悪いのです。アンテナ側に20cm程度のアンテナ線をつけると十分な感度になるのですが・・・。バーアンテナとICのLA1600が近いことが関係しているのでしょうか?
感度を上げようと数日もがいてみたのですが、残念ながらよくわかりません。とりあえず、基板上からバーアンテナを離すと感度が上がることがわかりました。
ということで、スッキリしないですが、100円ショップのディスプレイケースに組み込んで完成させました。基板とバーアンテナ(基板から最も遠い、スピーカーの下あたりに固定)が離れているので十分な感度で受信できています。
3件のピンバック
ラジオの製作その5(4石スーパー) | henteko.org
短波ラジオの製作その2(LA1600) | henteko.org
ラジオの製作その6(6石スーパー) | henteko.org
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