ステップアッテネータの製作

ステップアッテネーターの製作その3で1dBステップのアッテネーターを新規作成しました。(2022-02-12)
ステップアッテネーターの製作その2で10dBステップのアッテネーターを新規作成しました。(2022-02-06)

 スペアナ・アダプターGigaSt v5で使用するステップアッテネータを作りました。
 作り方は、リターンロスブリッジの製作で参考にした書籍「(定本)トロイダル・コア活用百科」に6Pのトグルスイッチを使ったステップアッテネータの作り方が図解つきで詳しく解説されています。この書籍と多くの方がWebで公開された情報を参考にしました。

 本来なら減衰量を1,3,6,10,20dBとして、合計40dBのアッテネータが使い勝手が良さそうですが、1dBの抵抗(6.8Ωと910Ω)が準備できないので3dBからとしました。また、20dBなどの大きな減衰量は、シールド等で分離する必要があると解説されているWebサイトがあるので10dBの組み合わせで実現しました。

ステップアッテネーター回路図
ステップアッテネーター回路図

 ケースにタカチのアルミケースMB-1を使用します。BNCコネクタとアッテネータ基板を一体構造とするために、ケースを裏向きで使い、BNCコネクタを固定するシャーシ側にトグルスイッチを含めすべてを取り付けます。トグルスイッチは、秋月電子で1個100円で購入した普通の基板用6Pスイッチです。スイッチの内部構造はわかりませんが、高周波用ではないことは確かです。^^;

 スイッチ回りに銅箔テープを貼って、アースの面積を稼ぎます。アッテネータとなる1/4W金属皮膜抵抗を出来るだけリードが短くなるように取り付けました。10dBでシリーズ接続する75Ωだけは金属皮膜チップ抵抗の手持ちがあったので使用しました。

ステップアッテネーター基板

 ケースに基板を固定して出来るだけ短い距離でコネクタと接続。(基板とコネクタのアースラグを直接半田付け)

ステップアッテネーター内部

 GigaStに接続してTGモードで減衰量を確認しました。

ステップアッテネーター

 0~1000MHzまでの減衰特性です。オレンジの線が上から3dB、6dB、10dB、20dB(10+10)となっており、一番下が30dB(10+10+10)です。多少のふらつきはありますが500MHzまでは何とか使えそうです。1GHzまでは完全に無理なようです。特に10dB以上は、500MHzを超えると減衰量が少なくなります。

 0~500MHzの減衰特性を取り直してみました。30dBは、減衰量が多めに出ますが、それ以外は一応は使えそうです。

ステップアッテネーター減衰特性

 すべてのトグルスイッチを入れて最大減衰量の39dBの減衰特性です。全体として減衰量が多めになりました。

 普通のトグルスイッチと普通の抵抗の組み合わせでは、この程度なのでしょう。もう少し実装パターンを見直したり、抵抗をチップ部品に変えたりすれば、性能向上すると思われますが、500MHzまでの使用では十分だと判断しました。
 今回、チップ抵抗を調達しようと思ったのですが、少量の小売では3216サイズ(3.2×1.6mm)が見つからず、2012サイズ(2×1.25mm)か1608サイズ(1.6×0.8mm)しか見つけられませんでした。E24シリーズがすべて用意できて100個300円とお買い得なのは1608サイズでした。お店の方によると「皆さん1608サイズを手半田されているようですよ」とのこと・・・・・???。半田ごてでは、かなり難しいと思います。少なくとも私には絶対に無理です。^^;


チップ抵抗への変更(2009-03-17)
 10dBの特性が良くないので100Ωのチップ抵抗を買ってきて交換してみました。サイズは2012です。このサイズならなんとか手半田できます。

 GigaStで周波数特性を見てみると、若干ながら改善しました。リード抵抗のときは500MHzが限界だったのですが、多少無理はありますが700MHzまではいけそうです。

スペアナで再測定

 スペアナ(RIGOL DSA815TG)で再測定しました。150MHzまでの10dBずつ30dBまでと3dB、6dBとすべて合計の39dBの減衰特性です。普段使用する50MHz以下ではまったく問題ありません。

ステップアッテネーター

 500MHzまでと1GHzの減衰特性です。10dBずつ30dBまでトレースしてあります。

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