7MHz用のマイクロバートアンテナの試作

最終更新時間:2020年05月08日 13時36分51秒

[公開:any]

[電子工作/アマチュア無線]
[アンテナ]

origin 2020-05-08


 新型コロナ対策で外出自粛中です。暇なので、SWRアナライザーを使ってみるべくアンテナを試作してみました。

 アンテナはマイクロバートアンテナです。参考にしたサイトはこちら。ネットでは簡単で再現性も良いとの評価が多いアンテナです。周波数は10MHzか14MHzが良いのですが、カウンターポイズに使用する同軸ケーブルには、たまたま手持ちの同軸ケーブル8mがあります。これを切らずに使える周波数ということで7MHz用を作ります。なお、この同軸ケーブルはRG-58A/Uで大昔のイーサネット(10Base2)で使用していたものです。

 最初にRFチョークを作りました。フェライトコアはFT140-#43。同軸ケーブルは1.5D-2VをW1JR巻で16ターンとしています。LCメーターでインダクタンスを測定すると220μHとなりました。参考にしたサイトにはインピーダンス5kΩ以上が必要とありますが、計算では9kΩ以上あるのでOKでしょう。

RFチョークのインダクタンス測定

 スペアナでRFチョークとしての減衰特性を見てみました。2MHz〜50MHzまでは、30dB以上の減衰が確認できました。7MHzで約-33dBと十分です。

RFチョークの特性測定RFチョークの減衰特性

 チョークは塩ビパイプに入れます。無線機側へはBNCコネクタ、アンテナ側へはカウンターポイズ用の同軸を直接取り付けました。

RFチョーク

 共振コイルやラジエータの設計は、MicroVert Antenna Calculatorを利用して計算させていただきました。ラジエータとなるアルミパイプは、古くなって撤去した50MHzの6エレ八木の残骸です(もとはクリエート社のCL6DXというアンテナ)。この八木のラジエータのパイプ(16Φ)に他のエレメントのテーパー部分とその先の10Φのエレメントとつないで2.3〜2.8mのラジエータを作りました。共振コイルは、近所のホームセンターで買ってきた0.5sqのビニル線を使用します。アンテナ基部のポール(これもホームセンターで購入してきた細いタイプの雨どいパイプ2m)にLCメーターで測定しながら18μHとなるように24ターンを巻きました。この共振コイルにカウンターポイズの同軸の芯線のみを接続して完成です。

マイクロバートアンテナ共振コイル

 2Fのベランダから斜めに突き出して、カウンターポイズの同軸ケーブルはベランダにくねくねと適当に這わせました。ラジエーターはアルミ3段となっているので結構な重さがあります。雨どいパイプはあまり強度が無いので長期に使用する場合は、ポールを別のものとしたほうがよいでしょう。

マイクロバートアンテナ設置

 ベランダでSWRアナライザーを使用してアンテナを調整します。はじめはラジエータの長さが短くしてあったので8MHz近くにSWR1.1以下の共振周波数がありました。エレメントを伸ばしていくと共振周波数が下がっていきます。7MHzちょうどでSWR1.1以下となるように調整しました。この状態でSWR1.5以下の範囲は7.140KHzまでとかなりの広帯域です。参考にしたサイトにも書いてあったのですが、この時の注意事項としてRFチョークから延びるカウンターポイズを1m程度直線にする必要がありました。これを行わないとSWRが最も低くなっても1.4までとなりました。

マイクロバートアンテナのSWR特性

 ベランダのRFチョークに室内引き込み用の同軸ケーブルをつないで、スペアナとリターンロスブリッジで特性を確認します。共振周波数の中心は、SWRアナライザーと同じです。ただSWR値はスペアナで計測するリターンロスが4dB程度大きくなりました。室内向けの同軸ケーブル接続の影響があるのかもしれません。SWRが1.5となる周波数がおおむね7.140KHzとなることも確認できました。アンテナアナライザーでもアンテナのインピーダンスは確認済みですが、あらためてAPB-3で測定すると抵抗分は約54Ωでリアクタンス(インダクタンスとキャパシタンス)も0Ωとなり、完全に共振した状態であることが確認できました。


 30MHzまでのスパンで見てみましたが、目的周波数以外に共振しているところはありません。 


 同じくベランダから斜めに突き出してあるマルチバンドホイップアンテナ(コメットのUHV-6)との比較です。マイクロバートアンテナの設置場所もホイップアンテナの近くへ移動しました。ホイップアンテナはSWR1.5以下の範囲が40KHzほどしかありませんが、マイクロバートアンテナは200KHz近く確保できています。中心周波数をうまく調整すれば7MHz帯のハムバンド全域をSWR1.5以下とすることが可能です。APB-3でホイップアンテナのインピーダンスを確認してもかなりシビアな共振範囲であることがわかります。(左の画像のトレースは黄色がホイップ、ピンクがマイクロバートアンテナ)
 

 実際にデジタルモードのFT8で運用してみた結果、ホイップアンテナと比較して受信はほぼ同等です(下の画像は途中でアンテナをホイップアンテナからマイクロバートアンテナに切り替えています)。マイクロバートアンテナのほうが設置場所が1m以上高く、エレメント長も60儖幣緜垢い里任垢耳で聞いた限りは全く同じです。FT8の受信強度を比較しても同等でアンテナを切り替えても変化はありません。送信についても良くなったという変化はありません。


 マイクロバートアンテナを試作してみた結果、製作の容易さや性能の再現性については、ネット上での評判通りであることが確認できました。使用する材料もホームセンターなどで調達可能で値段も安く済みます。ラジエータに使用するアルミパイプはアルミ伸縮ポール(1000円から2000円程度で買える)で作れそうです。また、共振する範囲が広帯域なのは大きなメリットです。HFならハムバンドをおおむねカバーすることが可能です。
 電波の送受信の性能は、我が家の環境では残念ながら普通のホイップアンテナと同等です。ただ、比較したホイップアンテナ(UHV-6)はかなりの短縮アンテナとはいえトップローディングに近い構造なので効率の良いアンテナといえるでしょう。このホイップアンテナは、14MHzの受信で別途作成したフルサイズのエンドフェッドアンテナと比較しても見劣りしていません。

 追記(2020-07-19)


 SSBで比較するとマイクロバートアンテナのほうがあきらかに聞こえが良好です。UHV-6でS9がマイクロバートアンテナではS9+という感じです。アンテナ切替器をつないでスペアナで比較してみました。


 スパンは7MHz帯の全帯域200kHzです。マイクロバートアンテナ(上の画像で紫色のトレース)のほうが良い結果が得られました。トレースはアベレージング20回を行っているので同時測定ではありませんが、日曜の朝の状況で10秒程度の時間差なのでほぼ同じ局の信号と思われます。場合によっては10dB近い差があります。特にUHV-6でSWRが高くなる7.1MHz以上では明らかにマイクロバートアンテナが優れています。

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